LINEではバージョン管理システムに Github Enterprise を導入し、現在は全てのエンジニアが利用しています。Github初の海外支社として6月4日に「ギットハブ・ジャパン合同会社」が設立され、導入先企業として弊社も掲載されております。

▼GitHub Japan 公式サイトはこちら

今回は、導入を担当したエンジニアと現在の管理者の二人に色々と話しを聞いてみましたのでご紹介いたします。

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――導入されたタイミングと、導入の理由を教えてください
導入は2012年に行いました。最初はLINEのTalkまわりを処理しているサーバのみでしたが、だいたい2〜3ヶ月かかったと思います。

導入した理由としては、開発に関わるエンジニアの人数が増えてきてクオリティの担保はもちろんですが、もっとチームプレイで開発をしていくというニーズがあったのと、コードレビューの重要性が高まってきたからという点が大きくありました。作っているものも増えましたし、モジュールも分割しはじめたタイミングでした。

広く使われているツールなので、最近のエンジニアの新入社員研修では社内ツールや関連ツールとどのように連携しているのか説明するくらいです。

――現在はどのくらいの範囲で利用されているのでしょうか
LINEのサービスをメインとして、ほぼ全てのソースコードがGithub上で管理されています。リポジトリ数としては4600程度、ディスク容量では200GBくらいです。日本だけではなくアジアやアメリカなどの海外拠点のエンジニアたちも利用しています。


――導入にあたって苦労した点などありますか?
エンジニアの高いニーズを満足させるため、当時の色々なSCM/コードレビューツールを検討しましたが、その中で一番我々のニーズにあったのがGitHub。しかし費用面では調整が必要でした。開発ツールとして見ると費用的に安いものではなかったのですが、当時の開発室長(現在のCTO)が理解してくれて、導入の実務的なことに集中できました。

導入時は、関連ツールの連携や、開発フローが変わるため関係者を巻き込んで準備を進めていくのがなかなか大変でしたが、結果的にみんな喜んでくれたのでやってよかったなと思います。


――LINEでの利用方法で特徴的な点などあれば教えてください
海外拠点のメンバーとのやり取りも多くなっているので、コミットログやコメントなど出来る限り英語でおこなっています。

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編集部注:技術的に詳しく紹介しているエントリもありますので、こちらも是非ご覧ください
LINE Serverの開発とリリースプロセス « LINE Engineers' Blog
LINE iOSアプリ開発についてのご紹介 « LINE Engineers' Blog


――現在は管理者が変わっていると聞きましたが、導入時から変わったことはありますか?
最初はLINEのメッセンジャーアプリ側で導入したのですが、LINEマンガやLINE MALLなど、LINEのファミリーアプリと呼ばれている担当チームでもGithubに移行することになったため管理者を変更することにしました。

その際、当然ですがソースコードはとても重要なものですし、Githubによる問題で開発が止まることがないようハードウェアを一新しました。HDDだったものをioDriveに、メモリが8GBだったのを64GBまで増やしました。コストもかかりますが、上司たちもエンジニアなので重要性を理解していますし、とても話が早かったです。


――今後どのように活用していくかなど予定があれば教えてください
4月に開催した LINE DEVELOPER DAY_2015 Tokyo のKeynoteでCTOの朴イビンが言っていましたが、LINEではGithubを最大限に活用し、良いソフトウェアの作成のため自主的にお互いに貢献するエンジニア文化を積み上げています。それはOSSの文化とも似ており、現在も様々なOSS貢献を行っていることではありますが、今後はさらにグローバル向けのオープンソース活動を強化していこうと思っています。



――ありがとうございました

Githubのマスコットキャラクター Octocat (本名はMonalisa)が管理者を見守ってくれています :)
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