2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催をきっかけに、障がい者スポーツへの関心が高まっています。LINEでは、世界に向けて挑戦する3人のトップアスリートを支援することになりました。4月1日の入社式に出席した3人に、LINEへの入社を決めたキッカケや競技の魅力について話を聞きました。

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LINEに入社した、写真左から、金涌(かなわく)貴子選手/陸上競技(車椅子)、藤原大輔選手/パラバドミントン、北田千尋選手/車椅子バスケットボール

――みなさんの自己紹介とLINEに入社したきっかけを教えてください。
藤原:僕は生まれてすぐに病院内で感染症にかかり、左足を切断しました。義足を装着していますが、健常者と同じように生活しています。姉の影響でバドミントンを始めたのは小学生のころです。ずっと健常者の部活動に所属していて、高校時代はインターハイ直前まで進みました。高校2年生のときにパラバドミントンがあることを初めて知り、日本選手権に出場したところ優勝しました。翌年、挑戦した世界選手権では3位の成績をおさめることができました。
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大学は全国でトップクラスのバドミントン部を擁する筑波大学に進学しました。ここでは障がい者だからといった甘えはなく、健常者の選手と変わらない練習練習の毎日を送っていました。卒業後は教員になるつもりだったんですが、パラバドミントンが2020年の東京パラリンピックの正式種目になったことで考えが一変しました。パラリンピック選手として世界をめざしたいと思ったんです。

今、障がい者スポーツを支援する企業は多くあるのですが、LINEを志望したのは、世界へと挑戦を続けるLINEがパラリンピック選手として世界をめざす自分自身の姿と重なったからです。一緒に頑張りたいと、直感的に選びました。
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北田:藤原くん、めっちゃ模範解答や! 次言われても、話しにくいわ。でも気を取り直しいてきます(笑)!

私は先天性の障がいがあって、車いすバスケットボールに出会ったのは大学生のときです。大学卒業後はフルタイムで働きながら車いすバスケの女子チーム「カクテル」に所属していました。勤めていた会社のサポートを受けて、休日はもちろん、フルタイムで働きながら就業前と就業後に、4~5時間の練習を積んでいました。パラリンピックの日本代表選手にも選ばれ、リオ出場をめざしていたのですが予選敗退してしまいました。

4年間、今いる環境で自分ができることをすべてやっても世界の壁を超えることはできなかったわけです。このままだとおそらく4年後も同じ結果になってしまう。予選敗退したその日には母親に「仕事やめる、海外行くわ」と宣言していました。
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そんなときLINEから障がい者アスリート採用の話がありました。世界へと躍進するLINEの勢いを借りたい、そんな願掛けみたいな気持ちもあって支援を受けることになりました。LINEでは選手として競技に専念することになります。

さっそく4月から8月まで、オーストラリアリーグに参加します。男女いずれのリーグにも加わり、40試合を経験する予定です。このチャンスをいかして、プレーヤーとして成長して戻ってきます。

金涌:在宅勤務の形態ですが、私も仕事をしながら練習を続けていました。これはダブルワーク状態で、かなりハードでした。現在、車いす800mで日本記録、車いす400mではアジア記録を持っていますが、世界記録にはまだまだ遠く、国際レベルで戦うことを考えるとしっかり練習時間を確保する必要があります。

私は交通事故で障がいを負いました。事故に遭うまではマウンテンバイク競技の選手でジャパンシリーズに出場していたこともあります。事故から20年が経ちますが、今でも世界で戦いたいという気持ちは変わりません。
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車いす400mの世界記録に追い付くためにはタイムをあと15秒、縮めないといけない。その差は大きいけれど、段階的に目標を設定して一歩ずつクリアしていけば決して夢ではない数字です。LINEも段階を踏みながらシェアを広げてきた企業なので、共感と頼もしさを覚えています。

――障がい者スポーツには、健常者のスポーツと違った面白さがあると思います。プレーヤーとしての難しさと隣り合わせだと思いますが、見どころを教えてください。

北田:車いすバスケは、障がいの重さによって点数が振り分けられ、選手5人の合計が14点でなければいけません。障がいが少ない私は「ハイポインター」といって、4.5点が与えられます。ハイポインターを2名入れたら、バランス的には障がいの重い選手が入るようになる。1点台の選手だと、たとえば自分で座ることができなかったりするので車いすに体をしばりつけてプレーをします。

健常者だったらどこにボールが飛んでも取りにいけますが、胸から上しか動くことができない選手に対しては、ピンポイントに胸の位置でパスを出す必要があります。コントロールが悪いと、ボールがキャッチできないだけでなく、選手の体幹バランスがずれて次のプレーに移れないこともある。

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だから車いすバスケはメンバーそれぞれがお互いの強み、弱みを知り尽くすことが大前提。私が所属しているチームは団結力が強く、互いがよさを認め、励まし合いながらプレーしています。計算されつくしたチームプレーの面白さは車いすバスケの見どころですね。

藤原:僕は立位のバドミントンだから、健常者の場合とほぼ変わりはありません。ただ車いすバドミントンはラケットを持ちながら移動しなければならないから、難易度ははるかに高くなります。

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金涌:そういえば昔、車いすバドミントンに挑戦したことがありましたが、難しくて続けられませんでした!

藤原:シャトルが一瞬で落ちてくるバドミントンは、もともと敏捷性が求められるスポーツです。車いすの場合はさらなるスピードと瞬発力が必要になってくる。見ていてほれぼれします。

金涌:車いす400mの場合は、ペース配分が肝ですね。ゴール前のメインストレートで一気に加速をかけるわけですが、そのためには中盤で力を抜くポイントをつくらないといけません。まずはスタートダッシュしてできるだけ短時間で車いすを加速させ、そのスピードにのったままコーナーリングへ。そしてスピードが落ちない状態で一気にラストスパートをかける。ベストタイミングを見極めるため、何度もタイムトライアルを繰り返します。
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藤原:そうなると、物理的には体重が重いほうが有利になるんですか?

金涌:競技場にもよるけれど、トラックは柔軟性があるので体重が重いと車輪が沈んでしまうんです。だから軽いほうがいいんですよ。

北田:車いすのトラック競技ってすごく楽しそう。私もやってみたい!

藤原:いつの間にか車いすバスケから転向していて東京パラリンピックで、北田さんがトラック走っていたりして(笑)。

――最後に今年の目標を教えてください。

藤原: 11月にアジア選手権が開催されるのですが、バドミントンはアジアのレベルが高く、ここでの優勝は実質的に世界ナンバー1を意味します。金メダルを狙って、いい報告をしたいです。

北田:オーストラリアリーグでは女子チームにも所属するので、まずここで女子リーグ優勝。帰国後は、日本の所属チームで三連覇をかけて全日本選手権に挑みます。二カ国で二冠が今年の目標です。

金涌:今年は国際的な大会はありませんが、国内の大会はいくつか参加する予定です。苦手な加速を改善して、記録更新を目指します。

「障がいは個性」という言葉を改めて再認識させられた障がい者アスリート社員たちのパワフルな座談会でした。3人の活躍は、LINE株式会社の公式SNSなどで随時報告する予定です。どうぞお楽しみに!

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最後にLINEキャラクターが描かれた壁をバックに、ポーズを決めてもらいました。