LINEでは、世界に向けて挑戦するアスリートの支援をしています。
現在、社員アスリートとして5名が在籍しています。

・車いすラグビー 菅野元揮
・パラバドミントン 藤原大輔
・車いすバスケットボール 北田千尋
・車いす陸上 金涌貴子
・パラ陸上 山路竣哉 (今年度入社)

2020年の東京パラリンピックへの思いを聞くインタビューの第1回目は、それぞれの競技の魅力について語っていただきました。
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写真左から、藤原大輔選手、金涌貴子選手、北田千尋選手、山路竣哉選手
※菅野元揮選手は日本代表強化選手に選ばれ、練習のため欠席

――まずはじめに、新入社員の山路選手にお伺いします。自己紹介と、LINEに入社したきっかけを教えてください。

山路:パラ陸上の短距離種目を専門にしている山路です。
僕は病気で目が不自由になりましたが、仲間と身体を動かすことが好きで、中学のときに陸上部に入りました。走ることならみんなと一緒にできるし、記録更新の喜びが大きかったので、そこから本格的に陸上の世界に足を踏み入れました。
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入社を決めた理由は、世界でも有名な「LINE」の名前を背負って走ることで、よりモチベーションが高まると思ったからです。そして障がい者アスリート雇用への理解があり、バックアップ体制が充実した企業なので、さらなる記録更新を目指すために選びました。

――ここからは全員にお伺いします。各競技の魅力を教えてください。

藤原:パラスポーツは、障がいに応じて様々なクラス分けが存在します。パラバドミントンは6つのクラスがあり、大まかに言うと「車椅子」、「立位」、「低身長」なのですが、それぞれ違う特徴があって面白いですよ。
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僕の「立位下肢障がい」のクラスは、粘り強いプレーと駆け引きが見どころです!
コートの半面だけを使用して、シャトルを遠くに飛ばしながら相手を揺さぶるのですが、とにかくラリーが長いんです。通常、試合にかかる時間は20分程度ですが、このクラスは平均で40分、長いと2時間近くかかりますね。

どちらが先にシャトルをコートの外に出すか、ネットにかけるか、修行のように体力と根気強さを競います(笑)。磨き上げられたコントロールや集中力は、パラスポーツの醍醐味だと思います。

北田:車椅子バスケットボールの魅力は、障がいの重い選手・軽い選手が1つのチームになってプレーするところです。
1人の選手の技術が高くても絶対に勝てなくて、みんなの夢を叶えるには全員で強くなる必要があるので、個人競技とは違う面白さがあります。
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試合中に「生きる」「死ぬ」という表現をするのですが、「生きる」は自分が得点にからむことで、「死ぬ」は敵をひきつけて、味方がシュートしやすいようにスペースを作ることを意味します。

私は障がいが軽いので、普段はチーム内で「生かして」もらいますが、自分が「死ぬ」ことで他の選手のいいシュートが生まれるんです。得点を決めた人に注目が集まりがちですが、1本のシュートにはメンバー5人の仕事が詰まっているので、そういう「持ちつ持たれつ」なところがすごく好きです!

金涌:私は車いす陸上の中距離種目をメインにしていますが、800m以上になるとオープンレーンになる為、駆け引きが面白いですね。
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800m以上の中距離を走るときは、スタートダッシュよりも、体力の温存が勝負のカギになります。どうしても、前に前に出たくなるのですが(笑)、我慢して相手の後ろに付いて走ったほうが、風の抵抗が減って有利になるんです。そして風向きや周りの状況を見ながら、タイミングを見極めてスパートをかけます。

スピードを維持しながらの駆け引きはむずかしいですし、苦しくて途中で諦めそうになりますが、そういう局面で「自分に勝つ」ことがイコール「他人に勝つ」ことに繋がる点が面白いです。

山路:パラ陸上は、クラスごとの配慮がしっかりしているところが魅力です。視覚障がいの場合だと、目が見えづらく蛇行してしまう選手もいるので、2つのレーンを使うことができます。使用するレーンが多いぶん、大会の出場枠は通常の半分になるので、激戦を勝ち抜いた選手が集まった試合は見ごたえがありますよ。
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全盲のクラスには伴走者がつきますし、走り幅跳びは「コーラー」といって真っ直ぐ走れるように声をかけてくれる人がいます。
周囲の支えが大きいからこそ、選手は全力のプレーで恩返しをしようとするので、お互いの強い絆が伝わってきて感動しますね。


インタビューは後編に続きます!