こんにちは。はたらく机です。

今回は、国内IT企業では独立した部署として存在するのが珍しいという、購買室購買チームの阿慈地学さんの机におじゃまして、あまり知られていない仕事の中身やビジョン、コミュニケーションのスタイルなどを伺いました。

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日が落ちるのが早くなりましたね。

阿慈地 学 (あじち まなぶ)
購買室、購買チームマネージャー。2011年にIT系商社からNHN Japan(のちのLINE)に転職し、IT企画チームに所属。2015年、購買部署の立ち上げに携わる。以降、LINEらしい購買組織を作ろうと日々奮闘中。小学生の頃から独学でプログラミングをたしなむ。休日の楽しみは、何もしないこと。

小学生プログラマー


――LINEに入社したのはいつ頃ですか?

阿慈地学(以下、阿慈地):2011年8月です。ちょうどLINEができたのと、ほぼ同じタイミングでした。小学生の頃からプログラミングをやったりしていたんですよ。そのまま好きが高じてIT業界に入りました。

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――小学生プログラマー! スゴいですね。

阿慈地:当時、よくハード関係の催事がデパートの屋上なんかであって、格安で売っているパソコンがあったんです。何も分からないまま、カシオの「MSX」を買ってもらいました。買ってもらった以上は使わなきゃいけないと思い、雑誌を見ながらBASIC(プログラミング言語)をやり始めました。

――そのままずっとパソコンを続けてきたのでしょうか?

阿慈地:中学の頃は、友だちとPC88(PC-8800のこと)とかで遊んでいましたけど、高校に入ったら全く触らなくなりましたね。大学の経済学部に入ってから、IT関係のサポートセンターでアルバイトを始めて、その頃からHTMLでサイトを作るようなことが増えました。

はたらく机を見せてください


――早速ですが、はたらく机を見せてもらってもよいでしょうか。

阿慈地:はい。いいですよ。いつもこんな感じで仕事をしています。

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楽しそうに仕事をする阿慈地さん。楽しくて仕方がないのでしょう。

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壮観です。2つのモニターは、契約書を見比べるのに便利なんだとか。

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FILCOのキーボードは、上部に文字がありません。

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側面に文字が書かれているので、使い込んでも消えないんだとか。

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置いてあるものすべてに、こだわりを感じます。

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クリップ式のドリンクホルダー。これがあれば、パソコンにコーヒーをこぼすことはなさそうです。

あらゆるものを買う力


――いまは、購買チームに所属されています。具体的にはどんな業務でしょうか?

阿慈地:購買チームには大きく分けて2つの業務があります。ひとつは「ITに関連する購買」。もうひとつは、「業務企画」と呼ばれているものです。事業を立ち上げるときに発生する、購買に関するプロセスなどを整理する部門になります。

――“購買のプロセスを整理する”というのは……?

阿慈地:例えば、何かを発注する時に単なる金銭のやり取りだけではなく、書面の作成や契約などが発生します。そういうプロセス全般をまとめて円滑に進めることですね。

――もう一方の「ITに関連する購買」では、例えば、どんなものを買うのでしょうか?

阿慈地:IT機器、サーバネットワーク機器、PC、ソフトウェアライセンスなどの購買と、什器や備品などのファシリティに関するモノも扱います。オフィス系の購買は、総務と一緒にやっています。

――どれも専門知識が必要そうですね。

阿慈地:はい。特にITのメンバーは、本当にITに詳しくないとやっていけません。購買室全体として“購買に関するノンテクニカルな部分はすべて請け負う”という目標があります。それを実現するためには、テクニカルな知識がかなり必要になります。

数億円のコストを抑えるコミュニケーション


――ノンテクニカルな部分を任せてもらうためには、テクニカルな知識が必要なんですね。

阿慈地:例えば何かを購入する際に、機能やデータ容量といったテクニカルな条件を購入部署からヒアリングして、RFPに落とし込みます。

――RFP(アールエフピー)というのは……?

阿慈地:Request for Proposalの略で「提案依頼書」のことです。「わたしたちは、こういう要件で、購入したいです」という条件をまとめたものですね。そのRFPをまいて各社と交渉しながら、金額やさらに詳細な要件を詰めていくことになります。

――詳細な要件……もう少し詳しく聞かせてください。

阿慈地:例えば、アプリケーションに組み込むソフトのライセンスを買う場合、「アプリケーションが何回ダウンロードされました。それぞれにソフトウェアが入っています。だからいくらです」というのが以前の考え方です。

――はい。それがいまは変わっている?

阿慈地:いまは、そのダウンロード数や購入数よりも“どれだけアクティブであるか”が重要になります。仮に、総インストール数が3000万あったとしても、現状でアクティブ(実際に使われている)なのは100万というケースがある。

その場合に、ライセンスの交渉を3000万でするのか、100万でするのかで金額がぜんぜん違うんですよ。

――たしかに……!

阿慈地:メーカー側からは「インストール回数で計算しましょう」と言われるケースもあります。それに対して「この場合は、こういう理由でアクティブな回数で考えましょう」という話をする……そういった交渉は、ノンテクニカルな部分なんですよね。

――うわー、すごい。ほんとに両方の知識が必要ですね。

阿慈地:はい。一番劇的だったのは、セキュリティのライセンスに関する契約です。ある部署からリクエストがあって、その契約の中身を見たら、数億円になる見積もりでした。

―――大きな契約ですね。

阿慈地:ただ、依頼部署としてはそれが適正な金額なのか、どういう条件でそうなるのかが分からないと。そこで内容をひとつずつ詰めて、まずは社内で要件の整理をしました。それをもとにあらためてメーカーと交渉したところ、数億円かかるところが10分の一の金額で済みました。

――10分の一! 依頼部署とのコミュニケーションが重要そうですね。

阿慈地:そうですね。彼らが何を考え、どんなことがやりたいのか、を吸い上げないといけませんから。できるだけ、コミュニケーションはしっかりとるようにしています。

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購買チームが目指すもの


――購買チーム内では、どんな感じでコミュニケーションを取っていますか?

阿慈地:一人一人が個別に業務を担当していることが多いので、無理にチームをまとめようとは考えていませんが、各メンバーと面談するようにはしています。

――仕事以外のお話をすることもあります?

阿慈地:仕事をスムーズに進めるために面談しているのですが、メンバーがプライベートで問題を抱えているケースもあります。そういう時は「僕の場合は……」と自分の経験を話すこともありますよ。気づいたら、1時間以上も話しちゃっていることもありますね。

――これまでお話を伺ってきて、購買チームのイメージがだいぶ変わってきました。

阿慈地:よかったです。一般的な日本企業では、購買部門がどこかの組織にくっついていることが多いです。そんな購買部門を独立させてくれているLINEは、それだけ“購買に価値がある”と認めてくれていることになります。わたしたちとしてはその価値をさらに上げたいですし、モノを安く買うこと以上の“付加価値”を生み出す組織にしていきたいです。

メンバーが足りない


――いまメンバーを募集しているんですよね。この記事を読んでいる皆さまへ、一言メッセージをお願いします。

阿慈地:求人をかけてはいるのですが、「購買担当者」として募集しても、正直なかなか集まらないんですよ(苦笑)。ただ、会社にとってこれだけ価値を生み出せるチーム、役割はそうそうないと思っています。自ら“付加価値”を生み出したいと思っている方がいたら、ぜひ一緒に働きましょう。

――「購買」というチーム名を変えてみるのも、いいかもしれませんね(笑)。お仕事の中身を伺って、だいぶイメージ変わりましたので。

阿慈地:そうかも知れませんね(笑)。最近では、業務委託の“購買”も始めました。モノではなく、人に関する事業になるので、別のチーム名を考えるいいタイミングかもしれませんね。

はたらかないイス


社員がオフの時間を過ごす、お気に入りのイス(場所)を紹介するコーナーです。
阿慈地さんの「はたらかないイス」はこちら!

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このソファーに寝転んで、何もしない。最高ですね。

10歳の息子さんと8歳の娘がいる阿慈地さん。休日は子どもたちをどこかに連れて行ったり、勉強を教えたりすることが多いそう。でも、月に2、3日くらいは、このソファーで、「何もしない時間」を楽しんでいるんだとか。

「子どもが大きくなり、あまり手がかからなくなってきました。何もしない自分の時間が少しずつ増えているのですが……それはそれで寂しくもあります(笑)」。

そう語る阿慈地さんのはたらく机には、こんなものがありました。
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素敵なお父さんです。


取材後に出てきた疑問にも、時間をつくって丁寧に答えてくれた阿慈地さん。今度、大きな買い物をする時は、ぜひ一緒に来てほしいです。ありがとうございました。

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次回もお楽しみに。