LINEのフィンテック(ITを駆使した金融サービス)関連事業のメンバーに、LINEが目指す「お金の未来」を語ってもらう企画。

3回目は、11月12日にリリースしたばかりのLINE家計簿の大野渉さんと李恩恵(ウンへ)さんです。なぜいま家計簿なのか、サービスに込められた思いや、それを支えるチームの雰囲気、さらには一緒にはたらきたい人物像を聞きました。

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大野 渉(おおの わたる)
LINE株式会社 ファイナンスサービス企画チーム マネージャー。エンジニア職を経て、2011年にライブドア(現LINE)にサービス企画職として入社。LINE Creators Marketの立ち上げや、LINEバイト、LINE STOREの企画業務に携わる。プロダクトマネージャーとしてLINE家計簿のユーザーリサーチ、UI/UX設計、ディレクション業務など幅広く活動中。最近の課題は、もうすぐ1歳になる双子の寝かしつけ。

李 恩恵(い うんへ)
LINE Financial PlusのGlobal Financial Business室に所属。2007年に新卒でNS Comm.に入社、2008年には電通韓国に転職し、広告キャンペーン企画/営業を担当。2011年に携帯電話メーカーのパンテックに入社、日本市場マーケティング戦略職を経て、2016年4月にLINE Plusに入社、広告商品戦略を担当。現在は日本市場を中心としたグローバルのフィンテック事業戦略を担当。最近の課題は、5歳の双子との遊び方。

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プライベートでは子育て奮闘中のおふたり。

続けられる家計簿


――それぞれのご担当を改めて教えてください。

ウンへ:LINE家計簿の事業をどのように進めていくかを考える、いわゆる事業企画を担当しています。

大野:ユーザーが抱える課題を見つけてサービスに落とし込む、プロダクト企画の担当です。

――いま、LINEが家計簿サービスをやる理由ってなんでしょうか。

ウンヘ:LINEが手がけるフィンテック領域のなかで、家計簿はいちばん広い範囲のユーザーに深く入り込み、生活を変えるサービスになりうるからです。また、日本市場で期待できるユーザーの数がとても多く、利便性も大きいと判断したので参入しました。

――先行する家計簿サービスもいくつかあります。LINE家計簿の特徴ってなんでしょう。

大野:既存の家計簿サービスのユーザーを調査してみると、「続けられない」という声が結構あったんです。ダイエットと同じで、だんだん面倒くさくなるんですよね。なのでLINE家計簿では「家計簿をつける」という感覚ではなく、「家計簿が勝手につけられている」ようなイメージを意識しました。

家計簿をつけるのって、孤独なんですよね。お金のことなので家族以外には相談しづらいですし。ユーザー調査では、紙で家計簿をつけている主婦の方が、家計簿を夫に見せるそうなんですが、理由は「こんなに頑張ってるんだよ!」と言いたいから、だそうです。その方に限らず、孤独に頑張っている主婦の方って多いんです。

その一方で、男性グループにもインタビューしたんですが、たいてい家計には無関心で、管理している人の苦労もしらなかったり……。

――たしかに、だから続かないのかも……。UIもシンプルですね。

大野:画面の情報量をとことん削りました。既存の家計簿アプリだと、グラフや数字をぎゅっと詰め込んだりしていて、お金の出入りを細かく分析したい人には向いていますが、とにかく続けることが第一目的の人には向いていません。家計簿は面倒くさいと思っている人にこそ、気軽に使ってもらえるよう工夫しています。

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LINE家計簿のUI。

ウンへ:コアターゲットは20~30代の男女で、調査によると、その年代で家計簿サービスを使っているのは、概算でたった14%~18%なんです(自社調べ)。既存の家計簿サービスで満足していない人、続けられなかった人には、ぜひ使ってもらいたいですね。

「価値あること」にお金を使おう


――LINE家計簿で、ユーザーの生活はどう変わると思いますか。

大野:LINE内にあるサービスですから、友だちとコミュニケーションをとる動線の中で、LINE家計簿が自然な形で関わってくることになります。例えば、飲み会後のやり取りの続きで、「今日は飲み会でこれだけ使ったんだ」と分かるようになる。紙の家計簿に比べると、使う労力は格段に減るので、「家計簿をつけなきゃ」という意識をはたらかせることなく、お金の出入りについて、いろんな気付きが得られるんです。

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大野:私は、家計簿をつけるメリットは2つあると思っています。ひとつは貯金ができること。もうひとつは「自分にとって価値があると思うこと」に確実にお金を使えること。

――新しくはじめたい習いごととか。

ウンヘ:そうですね。収入に対してどれだけ支出があるのか整理できますから、「ああ、これくらいの月謝なら、これから毎月出せるかな」という確信が持てる。目標を持って、やりたいことができるんです。

――ちなみに、このプロジェクトに関わる前に家計簿はつけていましたか?

大野:私はさっぱり(笑)。

ウンへ:プロジェクトに関わるにあたっては、市場調査のため、いくつか既存の家計簿サービスを使いましたが、その前はExcelで3カ月に1回くらい付けていた程度です。家計で予算調整が必要になった時、それを夫に見せて相談していました。

――そのときは関心をもってくれましたか?

ウンへ:「そんなにお金かかるの?」とは言ってました(笑)。そういうことを家族と情報共有するためにも、LINE家計簿のようなサービスは必要だと思います。Excelは込み入っていて見づらくなりますし、共有するのが面倒ですから。LINE家計簿のようなシンプルな画面を一緒に見ながら、「今月はこれくらいだよ」なんて言いつつ確認するのは、とてもいいと思います。

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大野:家族それぞれの端末で同じ家計簿を共有する機能は、まだありませんが、いずれは実装する予定です。事前調査でも、夫と家計簿を共有したい主婦の方からの要望が多かったので。

プロダクトと事業企画は「二人三脚」


――いまの仕事のやりがいってなんでしょう。

ウンヘ:LINE家計簿はユーザーの貴重な金融情報を蓄積するわけですから、LINEの金融サービスのなかでもハブとなるサービスになりますし、重要な送客ルートにもなるので、携わるにあたっては大きな責任を伴います。その責任の大きさにやりがいを感じますね。

大野:家計管理に関するいろんな人の悩みや想いに触れられるのは、すごく楽しいです。みんな早ければ小学生くらいからおこづかいをもらって、おこづかい帳をつけますよね。それっていわば家計簿じゃないですか。

そこから死ぬまで、ずっと家計簿的なものと付き合っていく。家計簿は利用シーンを選ばないサービスなんです。だからこそ、我々はよりユーザーに近づかなければいけないし、ユーザーをより理解しなければなりません。そこに面白みとやりがいを感じています。

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――チームの雰囲気や、お互いの人柄についても聞かせてください。

ウンヘ:チーム内での相談や協議は、遠慮せずにできる環境です。各自が自分の意見だけを主張するのではなく、「いい方法を一緒に探しましょう」という雰囲気なので、今年1月のプロジェクト開始からいままで、比較的順調にやってこれました。

大野さんは経験が豊富で、オーナーシップも強くて、メンバーひとりひとりに配慮してくれる方です。リーダーシップもありますし……。

――ベタ褒めですね(笑)。

大野:よかった(笑)。ウンへさんとは本当に仕事がやりやすいんです。事業としての都合ばかりを優先せずに、プロダクトをちゃんと理解したうえで、「プロダクトを成長させるためには事業がどうあるべきなのか」を二人三脚で、同じ目線で考えてくれるんです。お互いの得意なことを任せあい、かつ不得意なことを支援しあうというコンビネーションも、とてもうまくいっています。

ウンへ:ありがとうございます。チーム全体としても強力ですよね。

大野:事業企画、サービス企画、開発、デザインと、ファンクション別にチームが編成されていますが、それぞれの状況や抱えている課題を隠さずにしっかり報告しあえています。他のチームに対してもしっかり意見が言えますし、言われた側も「あなたは関係ないでしょ」と排他的にならないで、意見を聞いたうえで検討してくれますから。

――担当じゃないから関係ない、とはならない。

大野:はい。みんな責任感が強いんです。職務は違っても「LINE家計簿をどうやって良くしていこうか」という点でコミットできている人たちです。

ふたりにとっての「LINEらしさ」


――チームからもっと広げて、LINEという会社全体についても聞いてみたいです。おふたりの考える「LINEらしさ」ってなんでしょうか。

ウンへ:最後まで本当にこれがベストなのか、細部まで考えながら改善を重ねていく。そして、できることは全部やるのがLINEという会社なんだと思います。

大野:プロダクトを大事にしている会社だなと思います。他の会社だと、どうしても売上や数字に右往左往してしまうなか、LINEは会社全体に「ユーザーにいいもの届けたいよね」という空気があるんですよ。

もちろんKPIは追いかけますし、達成するためにプロダクト側もコミットしていかなければなりません。でも、目標を達成するためには、何よりもいいプロダクトじゃないとダメだよね、という気持ちは一致しています。だからこそ、プロダクト側に対する期待やプレッシャーは大きくて、そこが大きな喜びでもあります。

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――おふたりが一緒にはたらきたいのはどんな人ですか。

ウンへ:オーナーシップがあり、全力を出す心構えがある人ですね。また、仕事の内容が違う別のチームのメンバーも尊重できること、率直にディスカッションできることも重要です。

大野:お金に関する悩みや想いは一人ひとり違いますから、ユーザーそれぞれの気持ちなんて、たぶん一生かかってもわからないくらい複雑なんですよね。我々はそういう複雑なものを複雑なものとして受け取って、それを誰かに伝えるときにはシンプルにアウトプットする必要がある。

そういうことができる人、楽しめる人が向いていると思います。複雑だからもういいやと投げ出したり、手を抜いたりすると、いいものは生まれません。複雑なものにも根気強く挑み続けられる人とはたらきたいですね。

LINE家計簿では、以下のメンバーを募集しています。


お金は「お守り」


――最後に、おふたりにとって「お金」とは?

ウンへ:私にとってお金は「一番大事なもの」ではなく、「一番大事なものを守るために必要なもの」です。私にとって一番大事なのは家族、次に私のアイデンティティ。そして自分の夢と、他の人とのリレーションシップ。それらをしっかり守るために必要なのがお金、という認識です。

大野:昔、数カ月ほど海外をバックパックで旅行していた時に、ほんとに少しのお金しか持っていなかったことがありました。その時、お金って最低限あれば生きていけるんだなと実感したんですよ。だから、生きていく中でどれだけお金が必要か、実はあまり考えていないんです。それよりも、何か新しいことをやろうとするときに「いまのお金で十分なのか?」と考えます。

わりと心配性なので、チャレンジする時は結構不安になってしまうんですが、お金があれば失敗したとしても別の手を考えられる。そう思えば、安心してチャレンジできます。だから、お金は「お守り」みたいなものですね。それと、ちょうど昨年末に子どもが生まれまして……。

ウンへ:うちと同じ双子なんですよね(笑)。

――えっ!

大野:はい、ウンへさんとこは、いま5歳の女の子がふたり。私にとってウンへさんは「双子の親」の大先輩です(笑)。

私はもともと物欲があまりなかったので、普段の生活で困ることはなかったんですよ。でも双子が生まれて物入りになって、奥さんもはたらけなくなったので、お金の使いみちが完全に自分以外に行ったんです。そこではじめて、お金があれば家族が幸せになるんだと実感しました。だから、いまの私にとってお金は、自分というよりは家族を幸せにできるもの。やっぱりその意味でも、お金は「お守り」です。

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お金は大切なものを守ってくれる「お守り」――。だからこそ、上手に管理して、ほんとに価値あることに使っていきたいですね。そんなユーザーをサポートする、やさしいサービスを一緒につくってくれる方がいましたら、ぜひ、採用リンクからメンバーまでご連絡ください。

#お金の未来

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    ※今回記事で紹介しきれなかった募集職種もあります。