LINEでは、常に新しいアイデアやサービスが生まれています。様々なサービスをローンチし続け、たくさんのユーザーに楽しく安全に使ってもらうために、多くの部門がプロジェクトやサービスを支えています。

グローバルな組織・事業をもつLINEでは、言語をまたいだコミュニケーションが欠かせず、それらをサポートするために専属の通訳・翻訳者が働いています。

2回目となる「LINEのなかみ」では、日韓の通訳・翻訳を担うチームにスポットを当て、チームと仕事内容について紹介します。

今回はLINEの韓国語通訳翻訳室で室長を務めるKyoungheeと、LINE Financialのフィンテック通訳翻訳チームでマネージャーを務めるSoojinに話を聞きました。


LINEの韓国語通訳翻訳室メンバー。新宿ミライナオフィスのレセプションにて。

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大崎オフィスを拠点とするLINE Financialのフィンテック通訳翻訳チーム。

――まずは、それぞれ自己紹介をお願いします。

Kyounghee:韓国語通訳翻訳室で室長を務めるKyoungheeです。2010年7月15日に入社しました。会社としてはネイバージャパンの頃です。

Soojin:LINEの金融領域を担うLINE Financialに専属するフィンテック通訳翻訳チームでマネージャーをしているSoojinです。私もネイバージャパン時代の2009年に入社しました。LINEアプリが作られる2年ほど前ですね。

――入社した経緯を教えてください。

Kyounghee:私の場合、元々は大学で生物学を学んでいたのですが、「これは自分が進む道ではないな」と思うようになって、国際会議の場で活躍する通訳を目指そうと、通訳翻訳専門大学院の韓日科に進学して修士号を取得しました。

その後、主にインハウス通訳として、韓国の大手電機メーカーなどのいわゆる堅めの業界で働いていました。フリーランスとしての経験もあります。プロの通訳として経験を積み重ねるなか、韓国内でしか通訳の勉強や仕事をしていなかったこと、ネイティブの日本語通訳に弱いかもしれないといったことが、少し気になっていました。将来的には日本でも通訳をしたかったので、そういった苦手部分をどのように克服しようか考えていました。

そんなとき、偶然にもネイバージャパンの求人広告を見つけて「チャンスかもしれない」と、すぐに応募しました。とは言っても、それまで馴染みのないIT業界なので、面接では相当パニクっていたのを覚えています。「もう、ダメだ」と半ば諦めていたので、どうして入社できたのか、いまだに不思議です(笑)。

Soojin:私は韓国の通訳大学院を卒業後、10年間で計3社の社内通訳者として働きました。その3社目がLINEです。ただ、2017年に一度LINEを卒業……というか退職しまして。ずっと通訳だけに従事してきたこともあって、通訳以外の仕事にも挑戦してみたいという気持ちが沸々と湧いてきたんです。仕事の合間に通っていた大学院の論文提出の時期と重なったこともあり、悩んだ末に退職しました。

――Soojinさんが再入社したきっかけを教えてください。

Soojin:しばらく休暇を取っていたころ、仮想通貨事業を準備していた部門から声をかけてもらいました。アルバイトとして3カ月ほど勤務することになりました。ちょうどLINE Financialが発足したばかりの時期で、他のフィンテック部門でも通訳ニーズが急増して、専従チームの必要性が浮上していたころです。

そこで今の上長から、「フィンテック専属の通訳組織の新設に携わらないか?」と声をかけてもらって。これまでに培ってきたノウハウや経験をとことん試せるチャンスだと感じて、2018年の7月に再入社しました。

決め手になったのは、「通訳チームは単なるサポート部門ではなく、一緒にサービスを作っていく組織だと思っている」という上長の言葉でした。

韓国語通訳翻訳室とフィンテック通訳翻訳チームの違い



会議では、基本的に口頭での同時通訳を行います。

――それぞれの部署について教えてください。

Kyounghee:韓国語通訳翻訳室は、担当するカンパニーや事業でチームを2つに分けて、それぞれ7~8名がLINEの部署・部門、子会社の通訳翻訳業務に携わっています。それ以外にもアシスタントや他オフィス専従のメンバーも若干名いるので、約20名の組織です。日本の会社で、ここまで大規模の日韓通訳翻訳組織がある会社はないと思います。

Soojin:フィンテック通訳翻訳チームには、私を含む通訳者8名と業務サポートアシスタント1名の計9名が所属しています。新人の通訳者から10年以上のベテラン通訳者まで、経歴も様々ですね。

――詳しい業務内容を教えてください。

Kyounghee:私の部署では、社内で発生する日本語と韓国語のあらゆるコミュニケーションを通訳と翻訳でサポートしています。

通訳業務は、主に会議での口頭によるものです。原則として同時通訳で対応するのですが、会議形態や参加者の構成によっては逐次通訳もやりますし、ときにリレー通訳に対応することもあります。日本と韓国のオフィスをつないでのテレビ会議も頻繁にあるので、その場合は韓国側の通訳と連携して対応をします。

翻訳業務は、社内向け文書とプレスリリースや契約書などの社外向け文書など、いわゆるコーポレート系翻訳を主に担当しています。

Soojin:基本の業務は一緒ですね。大きな違いとしては、フィンテック通訳翻訳チームは突発的な会議の通訳依頼が多いため、翻訳業務よりも通訳業務の方が多いところです。約9割以上が通訳業務なのですが、そのほとんどがテレビ会議での同時通訳です。テレビ越しに聞こえてくる音声を聴き取ることは、通訳者にとって非常に負荷のかかる作業なので、本当に集中力も体力も必要です。

Kyounghee:発言者の音声以外にも様々な音が入り混じって、発言者とほぼ同じスピードで通訳する必要があるので、とにかく消耗が大きいです(笑)。

本来、通訳は遮音性・防音性のある専用ブース内で行うのですが、社内の多くの会議室でそういうスペースを確保することは難しいです。なので、通訳用送受信機を使ってウィスパリングのような形で対応しています。


この日のテレビ会議では、通訳用送受信機を使ったウィスパリング通訳。


専用ブース内で通訳。聴き取りに集中できるブース内は、通訳者の負担も軽減されるとのこと。

Soojin:それに加えて対応しなければいけない部門も多いですし、会議によってテーマも多種多様です。だいたい1時間の会議が多いのですが、複数の人が発言する内容を通訳者は1人で全て伝えることになります。

――かなりハードな業務だと思いますが、どういったケアをしているのでしょうか?

Kyounghee:私たちのチームでは通常、通訳業務は1日に3件程度を目途にしており、通訳を終えると次の通訳まで最短で30分、通常は1時間程度の休憩を挟むようにしています。通訳のアウトプットを常に一定レベル以上に保つには、コンディションを整えることも必要です。もちろん、単に休んでいるわけではなく、次の通訳に備えて勉強したり、翻訳作業の時間などに充てている感じです。社内の通訳ニーズはとても多いのですが、気をつけてマネジメントするようにしています。


次の会議に向け、スタディルームで予習。

Soojin:とは言え、どうしても案件が集中している日もあり、通訳者1人で1時間以上続けて対応しなければならない時もあります。その場合は、会議の依頼者に通訳者の休憩時間の確保をお願いしています。ありがたいことに皆さん快く協力してくださっています。

Kyounghee: LINEでは通訳者と一緒に協力して仕事をするカルチャーが根付いているので、通訳者に配慮してくださる方が多く、助けられています。こちらのスケジュールが過密なときには、会議の日程調整などにも理解を示してもらえるので、本当にありがたいです。

――翻訳の業務はどうでしょうか?

Soojin:翻訳に関しては、通訳に比べると割合的にはかなり少ないですが、より自然な訳文になるよう、各翻訳者の母語に翻訳することが原則となっています。品質を担保するために、翻訳された文章は必ず別の担当者が監修を行います。

Kyounghee:韓国通訳翻訳室も翻訳をする担当者だけでなく、監修者も一緒にアサインしていますね。翻訳の精度向上と文章のトーン&マナーを維持したり、部署として翻訳のスキル・ナレッジ・経験をシェアし、継承していく目的もあります。他人の翻訳を見ることは、大切な学びの機会です。

Soojin:LINEの韓国通訳翻訳室と部署として違いがあるとすれば、我々はフィンテックに特化した文書を扱っていることでしょうか。監修では、誤訳だけでなく、専門用語の確認やLINE Financialとしてのトーン&マナーの統一、細かな文法規則までを考慮してチェックします。

あとは、私自身のマネージャーの役割として、メンバーそれぞれの経歴やスキル、1日の業務時間などを考慮して業務を均等に割り振ったり、メンバー全員が通訳と翻訳の両方を対応できるように調整しています。


この日のスケジュールを確認。

LINEの日韓通訳翻訳ならではの魅力


――LINEの日韓通訳翻訳担当として働く経験や価値とは?

Soojin:一般的に、社内通訳というと特定部門のみ対応するか、役員の秘書兼通訳のパターンが多いんです。LINEやLINE Financialでは、会社の全ての部門に対応する「通訳翻訳の専門組織」であることが一番の大きな特徴かもしれません。

LINEでは通訳を必要とする社員が1名入社すると、その方が退職するまで最初から最後まで関わることになります。いわゆる、「ゆりかごから墓場まで」の責任を持つ重大な仕事です。だからこそ、単にスキルが高いだけの通訳者ではなく、仲間として一緒に働く通訳者であってほしいとチームのメンバーたちには説明しています。より強いチームワークが必要とされる、そこがLINEならではのポイントだと思います。

Kyounghee:おっしゃるとおりですね。通訳翻訳の実力はもちろん大事なのですが、チームワークが何より大切です。私たちのチームは、それを「協働力(きょうどうりょく)」と呼んでいます。

一般的に通訳翻訳の仕事は個人でやることがほとんどで、個性や我の強い人が多いのも事実だと思います。しかし、LINEという会社の一員として他部署の皆さんと仕事をするには、チームメンバーと協働して、知識・経験の連携をしなければいけません。主役になるのではなく、支える側に立って関係者と上手にコミュニケーションを取ること、コミュニケーションを支えることが大切です。

あと、世の中で広く使われ多くのユーザーに愛されるサービスを身近で見守れること、そのサービスの誕生や成長にも貢献できるというのが、何よりも嬉しいですね。会社の重要な意思決定や対外コミュニケーションに関われることも大きな喜びです。

私自身LINEの誕生と成長、そして上場に至るまでを共にした9年間の充実感とやりがいは、大きな財産だと思っています。


共に働くうえで、何よりも大切なのがチームワーク!

Soojin:私も通訳者として駆け出しだった2011年、当時は社員数が100人にも満たない小さな組織でLINEアプリが作られる現場に、通訳として携わっていました。ゼロベースからつくられたサービスが成長して、多くのユーザーから支持されていく過程を内側から見られことは、とても貴重な経験です。そしてそれは、最近フィンテック部門の会議で通訳をしているときによく思い出すことでもあります。

いまや、日常生活のインフラとしても定着しているLINEと同じように、近い将来LINEの名前がついた銀行や証券、保険などのサービスが当たり前のように使われることを想像すると胸が熱くなりますね。

――どんな人に向いている環境ですか?

Soojin:毎日、欠かさず通訳に携わるので、通訳のスキルアップは確実にできる環境です。実際に自分の通訳を聞いている同僚や先輩からフィードバックをもらえる機会もあるので、通訳者としての成長を日々、実感することができると思います。そういった経験を積み重ねるうち、聞き手のニーズを汲み取った訳が自然と出るようになります。双方のコミュニケーションをしっかり中継できるので、通訳の面白さをさらに感じるはずです。

Kyounghee:LINEの通訳・翻訳業務は、かなり密度が高いですよね。フリーランスだと、5年がかりでやっと経験できることをLINEでは3年もあれば経験できます。通訳としてのスキルアップと成長をより早く得ることができますね。以前「LINEの時計は、他社より1.4倍速いから」と言われたことがありますが、本当にそう感じます(笑)。

Soojin:スピードだけでなく、変化も多い会社なので、求められる役割も微妙に変わっていきますよね。こうした状況に機敏に対応できるので、人としての柔軟性も得られる環境だと思います。

Kyounghee:LINEには本当に多様な人がいますので、言語も担当する業務も本当に様々です。そんな社内の様々な人と一緒に仕事をしていくなかで、それまで気付かなかった新しいインサイトが得られ、視野も広がっていく感じがします。

通訳者として、関わりがないだろうと思っていた業務や分野に対しての興味を持つようになります。個人的に、これは大きなおすすめポイントです。将来のキャリアパスを通訳翻訳の仕事だけに限定せず考えられるきっかけになると思いますので。


LINE Financialの部門主催の研修では、各専門分野の知識が学べます。

Soojin:私たちのチームでは、より専門的な金融やITのリテラシーも求められます。そのため、定期的に仮想通貨・証券・個人向けローン・保険・PFMS(Personal Finance Management Service)など諸部門の担当者から、その分野についてのレクチャーもしてもらっています。

専門的な知識を持った人に直接説明してもらえるので、それぞれを本質的に理解することができます。内容を理解したうえで訳すのと、単にword to wordで置き換えるのでは、大きな違いが出ます。質の高い新しい知識を得続けることは、Kyoungheeさんも言っている広い視野に繋がると思います。

――最後にLINEの日韓通訳翻訳者として働くことに興味がある人に伝えたいことはありますか?

Soojin:通訳翻訳の仕事は、いろんな業種の会議でその分野の専門家の発言を代わりに伝える仕事です。新しい学説や技術について訳す際、詳細なメカニズムまでは分からなくても、通訳を聞く人が十分に納得できる訳し方をしなければなりません。そのため、普段から自分が通訳する分野の知識を吸収することに貪欲な姿勢が大切だと思っています。

それを踏まえて通訳として高いレベルを追求するため、普段から努力を惜しまない向上心のある方。多様な役割や状況に合わせて柔軟かつ迅速に対応できる方。そして、同じ目標へ向かう仲間を支えることにやりがいを感じられる、協調性のある方。この3つの条件が揃った方であれば、私たちのチームで活躍してくれると思います。

Kyounghee:まず何より求めているのは、通訳翻訳の実力ですよね。国際会議の場でも通用するレベルの同時通訳のスキルはもちろん、翻訳者としても正確で無駄のない翻訳ができる方を第一に考えています。

今日は通訳の話が多くなってしまいましたが、文書として残る翻訳業務は責任の重さが通訳よりも断然大きいとも言えます。正確で無駄のない翻訳も円滑な通訳も大事にできる、それを理解している方を求めています。

また、一般的に通訳翻訳の仕事は、業務委託とか都度の外部手配で済ませることも多いです。そういったなか、社員としてコミットメントを持って、会社とサービスの成長を見届けながら自分の成長もできるのはLINEしかないと自負しています。

通訳者としてステップアップをしたい、多様な経験を積んで人としてもより成長したいといった方と一緒に仕事ができればと願っています。皆さんの挑戦、お待ちしています。




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