LINEでは、価値基準である「WOW=NO.1」を生み出すために、社員が働きやすい環境づくりにおいて、様々な工夫をしています。そういったLINEを支える組織や制度について紹介する「LINEのしくみ」。

今回、ご紹介するのは、業務に関する社員専用の相談窓口として設置している「LINE CARE」です。LINE CAREでは、業務に関連する多種多様な相談を、有人のカウンターと、LINE上のチャットでのコミュニケーションにより、社員の困りごとを解決に導いています。そこで、具体的にどんなことをしているのか、総務チームの石井に紹介してもらいました。


LINE CAREを運営する総務チームの石井。


オフィスライフと業務をサポートする社内コンシェルジュ


――まずは、自己紹介をお願いします。

石井:LINEに入社したのが2017年の5月で、現在は総務チームのメンバーとしてLINE CAREの運営に携わっています。入社当初は総務チームではなく、ITヘルプデスクチームの一員として、社員からのメールの問い合わせ対応をしていました。その後、総務チームがメインで行っていたLINE CAREのチャット対応も担当するようになりました。

一時期は、ITヘルプデスクのメールとLINE CAREのチャットを両方対応し、それぞれ1年ぐらい担当しました。




――それでは、さっそくですが、LINE CAREとは何か教えてください。

石井:LINE CAREは、「業務に集中できる社内環境をつくること」をミッションの1つとする総務チームが運営しています。

仕事中にPCの調子が悪い、備品を借りたい、知りたい情報が見つからない、誰に聞いたらいいのか分からない……。そういった困りごとがあったときに、社員が気軽に相談できるように設置している窓口です。

窓口は、有人のカウンター(以下、CAREカウンター)と、LINEによるチャット(以下、チャット)の2つがあり、相談しやすいほうを選んで利用してもらえます。

LINE CAREがカバーしている範囲はとても広く、文房具などの備品やポケットWiFi・社内の電話端末・検証機端末の貸出、完成した名刺の受け渡し、社内で利用しているシステムに関するお問い合わせや、「こういう契約はどの部署が担当するのか」など、社内の情報や担当者を探す問い合わせにも対応します。

――LINE CAREはいつ頃、どのような背景で立ち上がったんですか?

石井:LINE CAREが立ち上がったのは、私が入社する以前の2015年2月です。私がまだいなかった頃なので、立ち上げの背景や意図は、当時の担当者に聞いた話をお伝えします。

当時の社員は、総務やITヘルプデスク宛てに問い合わせがあるときは、担当者宛てにメールを送るか、担当者が座っているデスクまで出向いて質問や相談をする、といった流れだったようなんです。でも、仕事を進めるうえで、細々とした質問や調整をメールしたり、わざわざ席に出向くのって、結構、手間や時間がかかってしまいますよね。それを改善するためにLINE CAREができました。

――LINE CAREができる前と、できてからの違い、メリットはなんでしょうか。

石井:LINE CAREができる前は、前述のとおり、①問い合わせるときは、社員がメールを送るか、デスクまで出向いて質問や相談をする流れだったことです。

そしてもうひとつ、②問い合わせ内容によって、その問い合わせ先が総務だったり、ITヘルプデスクだったり、さらには別の部署に分かれているという課題がありました。

――問い合わせ先が複数あるということは、もし異なる部署に問い合わせしてしまうと、たらい回しになる社員もいたのでしょうか。

そうですね。②については、複数の窓口があったので、「これはどっちの窓口?」っていう状況が高頻度であったと思います。特に新しく入社された方は、分からないことだらけだと思うんです。それを解決するために、現在は、問い合わせ内容に関わらず、全ての問い合わせ窓口をLINE CAREに統一しています。「困ったら、なんでもLINE CAREに聞けば大丈夫」といった安心感があることが、一番のメリットだと思います。

そして、①と②両方の課題を解決するために、CAREカウンターと、チャットの2つの窓口を導入しました。CAREカウンターは、社員の行き来がしやすい、社内カフェのフロアにカウンターを設置して担当者が常駐することで、相談しやすい環境に加えて「いつでも相談できる安心感がある」と社員に好評です。

あとは、チャットでの問い合わせ対応は、メールよりもお互いにテンポよく会話ができるので、解決までの時間短縮にも結びつきました。実際にLINE CAREについての社内アンケートでも、「対応が早い」っていう回答が多かったです。


社員が思う「あったら嬉しい」サービスを日々、実現しています。

裏側では、LINE BRAINのAIが活躍


――LINE CAREのチャットには、1日にどれくらい問い合わせがあるんですか?

石井:現在、LINE CAREに寄せられるチャットでの月間の平均問い合わせ件数が460件で、1日の平均が22件ほどです。多いときは30~40件くらいですね。

――その件数を迅速に対応するのって大変ですね。

石井:そうですね。1人がメインでチャット対応をしているので、けっこう大変です(笑)。ちなみに、2年前は、チャットの月間の平均問い合わせ件数が500件あったので、徐々に減ってきています。

――問い合わせ件数が減っているのは、チャットに何か工夫があるんですか?

石井:チャットの問い合わせの一次受けを、自社で開発している「LINE BRAIN CHATBOT」による自動応答に切り替えたことが大きいです。LINE BRAIN CHATBOTのAI技術(自然言語処理)により、社員が問い合わせてきた際、単語やキーワードに限定されず、日常の会話調による問いかけが対応可能になりました。この技術力と正答率の高さによって、より正確な案内とスピーディな対応ができるようになりました。

LINE BRAIN CHATBOTが回答できない質問だった場合は、オペレーターにチャットが繋がって人同士のやりとりに切り替わります。それによって、オペレーターの負担を減らしながら、多くの問い合わせに対応できるようになりました。

ほかにも「この問い合わせを、いま誰が対応中か」といったオペレーター同士のステータス管理もしやすくなりました。


写真左と中央が、LINE BRAIN CHATBOTの自動応答の画面。解決しない場合は、写真右のようにオペレーターが対応します。


――社員にとってもメリットが大きそうですね。

石井:はい。LINE CAREの営業時間は、定時に合わせて10:00~18:30ですが、部署によっては朝早い時間や夜遅い時間に稼働することもあります。そういった営業時間外でも自動応答で問い合わせを受け付けているので、より便利になっていると思います。


LINE BRAIN CHATBOTを導入したおかげで、よりスムーズに問題解決できるようになりました。



チャットで解決しなかったこともCAREカウンターでスタッフと一緒に解決。


社員一個人だけでなく、部署の依頼もサポート


石井:よくある問い合わせを、自動応答で案内できるようになったので、そのぶん別の取り組みに充てられる時間ができました。最近は、社員個人だけでなく、各部署からもLINE CAREへのサポート依頼が来るようになりましたね。

現在、LINEのオフィスは都内の複数個所にあるのですが、取引先に立ち寄ったあと、自分のオフィスに戻らなくても新宿の本社で備品の受け渡しができるようにするとか、より効率的に業務を行えるようにするサポートも始めました。

――多岐にわたってサポートを行うLINE CAREですが、石井さんが意識していることはありますか?

石井:「お問い合わせがあった社員の業務を止めないために、どんなことができるか」を考えて対応することを心掛けています。

社員は、業務を滞りなく続けるために問い合わせをするので、仮に100%の解決には至らなくても、まずは「業務が止まらないような環境にしてあげること」、「目先の問題だけを見るのではなく、その先や全体を見通してサポートする」、といったことが重要だと思っています。


より良い社内環境のためのWOWなアイデア


――今後の展望について聞かせてください。




石井:他部署からの依頼や相談に対して積極的にご協力していきたいなって思っています。

また、社員の利便性向上のために、過去に寄せられたお問い合わせのデータを見て、問い合わせが多いものは、あらかじめ社内のWiki(社内情報共有サイト)に情報をまとめておいたり、CHATBOTで回答できるようにしておくなど、データ活用も検討していきたいです。

数多くの部署と連携するので、お互いをサポートしながら、より便利な社内環境にしていけたらと思っています。